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スマホで古典語

 西洋古典語関係の辞書が,100年以上使い続けられている名著ばかりなので著作権の方が切れているのを幸い,EBWingという電子辞書を作るフリーソフトで利用できるデータに直され,ネット上に自由に利用できるようになっています.PDF版で使えるものもあるのですが,辞書のPDFはやはり使いにくいようです.便利な時代になったものだというお話を,あちこちで(このブログでも)しております.
 ただ,EBWing を使うという点でハードルが高いようで,学生たちが積極的に利用している様子がありません.私自身,パソコンやiPadでは活用していますが,スマホでの利用はうまくいっていませんでした.

 つい最近気が付いてスマホのアプリを探したところ,西洋古典語関係の辞書が数百円という金額でアプリになっておりました.モニエもリデル=スコットもルイス=ショットもガフィオも!(ベイリーとデュ・カンジュはまだないようです)

 喜んでずいぶん買い込んでも,紙媒体の現物の20分の1くらいです.学生の頃からの苦労が一瞬にして解決されていきます.

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 この前のページにもっとあります.けれども「楽々カロリーコントロール」とかも見えてしまうので,恥ずかしいからアップしませんでした。

 気になるのはキーボードですが,ギリシャ語の場合は初めから黙ってギリシャ語のものになります:

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 モニエのサンスクリット語辞典はなんと2種類もアプリがあります.
 1つはラテンアルファベットの翻字で打ち込むタイプです(Kyōesa Books版).スマホのキーボードの各文字は,長押しするとアクセントが付いた形が選択できるのは知られています.

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 それでも出てこない,下に点をうった形の文字だけ別に選択できるようにしてくれてあります.

 モニエのサンスクリット語辞典のもう一つのアプリは(Academic Room版),ラテンアルファベットからも,デーバナーガリー文字からも入力できます.ナーガリー文字の方はヒンディー語のキーボードを設定すればいいだけです.

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 しかもこちらの版は,他の2冊のサンスクリット語辞典も併せて参照してくれるのです.
 格段に便利でスピーディですよ.本当におすすめです.

 一つ驚いたのは,古典語関係の辞書のアプリを作ってくれている人が,Bächtold-stäubli: Handwörterbuch des deutschen Aberglaubens の アプリも作ってくれていることです.今となってはもう古臭いが,それでも魅力と人気の尽きない民俗学事典について,またお話ししたいと思います.