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本の修理

 昔から本の修理をしてきました.諦めて断腸の思いで捨て,買い直した本もありますが,ずーっと後悔しています.
 これは,50年近く前から使っている桜井和市『ドイツ広文典』です.元の製本がしっかりしているので,見よう見まねの私のこんな修理でも立派に使いやすくなりました.

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 これも,50年近く前から使っている國原先生の『新ラテン文法』です.修理自体が何十年も前のことなので,くすんでおります.

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 若い方はご存じないでしょうが,昔はスーパーマーケットで買い物をすると,茶色い四角い紙袋に入れてくれたものです.今から考えると取っ手もなく持ちにくいものでしたが,抱えて帰ってましたね.丈夫な良い紙だったので,その袋の紙で修理しました.今は手に入らないので,茶封筒の古いのを切って使います.

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 これは,ランゲンシャイト社の『ラテン語学生大辞典』です.StowasserよりGeorgesより使いやすくて,愛用していたら,外カバーなんてどこかへ行ってしまいました.それでも1980年代の古い本は製本がしっかりしているので,こんなゾンビみたいな状態でも現役です.これには「改訂版」があり,購入して並べてあるのですが,内容が段違いに薄くなって使い物にならないのです.ドイツでももう古典語教育は縮小で,授業のレベルが下がったらしい.残念なことでした.Lewis/ShortとGaffiotは、今ではもうスマホのアプリです!
 学生時代は本当に貧乏だったので,安い(けれども内容のしっかりした)ペーパーバックの辞書に飛びついて喜んで使っていたら,1年経たないうちにバラバラになり,ページも焼けて読みづらくなり,修理がきかず,それでもがんばって使い続けました.使えなくなったぼろ紙の塊になっても惜しくて,ついこの前まで取ってありました.定年になっていよいよ置き場所に困ったので,先日ようやく廃棄しました.
 文法書と辞書を使い潰しては修理する人生でありました.まだ続いていて,さっきも『ドイツ広文典』の再々修理をしたばかりですが.