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サリエリ晩年の合唱曲 "Spiritus meus attenuabitur"

 夏休みが明けてから原稿と仕事の締め切りに追われ,ブログの更新もできませんでした.少し時間が出来たので,気になっていた事を一つ片付けます.

  1820年の冬にサリエリは痛風が悪化し,痛みで眠れない夜を過ごしたのだそうですが,その眠れない夜に作ったのが "Spiritus meus attenuabitur"という合唱曲でありました.これは旧約聖書『ヨブ記』第17章の冒頭の2行 "Spiritus meus attenuabitur. Dies mei breviabuntur. Et solum mihi superest sepulcrum." 「わが息はすでにくさり,わが日すでに尽きなんとし、墓われを待つ」を混声四部合唱にしたものです.
 ペトルッチにはまだ上がっていませんが,オーストリア国立図書館蔵の手稿を,我がサリエリゼミ主宰の大塚先生が見つけてシェアしてくれました:

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急いで清書してみました.私には通奏低音が分からないので,伴奏低音部は数字抜きにしました.またその低音部に間違い(というか現場の演奏者のみに通じる省略しすぎた書き方)が複数箇所あり,修正させてもらいました.美しい曲です:
Spiritus meus attenuabitur-1.png
Spiritus meus attenuabitur-2.png
Spiritus meus attenuabitur-3.png
Spiritus meus attenuabitur-4.png
Spiritus meus attenuabitur-5.png

音源があるようです:
https://www.youtube.com/watch?v=NmexjypflAY&t=70s

素晴らしい演奏です.指揮者の方が手稿から起こして演奏されたのだと思います.

まだ他に片付けたいことがたまっておりますが,とりあえず一つ済ませられました.