SSブログ

『諸星大二郎トリビュート』

 楽しみにしていた『諸星大二郎トリビュート』が届きました.私も諸星大二郎のファンですが,そんなこと恥ずかしくて言えないほど熱いファンの作った一冊です.この人は漫画家仲間に畏怖され,敬愛される人のようで,デビュー50周年記念の本書に,ご覧の通りの錚々たるメンバーが原稿を寄せています.

IMG_2151.JPG

 でも,やっぱりプロでも,「おらといっしょに ぱらいそさ いくだ」が印象に残るのね.諸星大二郎に純真に熱狂する大家たちの様子がまた嬉しい一冊であります.

「千葉大附属病院長から学生の皆さんへ」

横手幸多郎千葉大学附属病院長から,学生の皆さんに向け,「感染予防の徹底を」という文書が本日付で発表されました.コロナ禍の深刻さと,医療機関の危機的状況を理解し,感染予防のさらなる徹底を訴える内容です.分かりやすいポスターや資料のリンクもあります.是非目を通し,より一層,感染予防に努めて下さい.

https://www.chiba-u.ac.jp/others/topics/2020covid-19/20210908message.html

********************

【感染予防の徹底を】横手幸太郎病院長から学生の皆さんへお伝えしたいこと
掲載日:2021/9/8

千葉大学の学生の皆さんへ

千葉大学医学部附属病院 病院長の横手幸太郎です。
学生の皆さんへお伝えしたいことがあります。

現在、医療の現場は緊急対応中です。コロナの患者さんが増え、ベッドが埋まり、救急搬送をお断りしたり、予定されていた手術などを延期したり、通常診療を制限せざるを得ない、まさに災害時の状況となっています。
デルタ株の感染力は、従来株に比べて大変強く、うつりやすいだけでなく、20代でも重症化する例を目の当たりにしています。ワクチンを2回接種した人も感染しています。

感染の原因の多くが、「マスクを外した食事中の会話」です。学生の皆さんには、黙食の徹底をくれぐれもお願いします。
おしゃべりをするならマスクを必ずつけてください。
また、マスクはウレタンや布よりも高性能である不織布マスクを、鼻を出さず、正しく装着してください。

デルタ株や感染対策についてわかりやすく解説したものがあります。ご友人やご家族、サークル、ゼミなどの皆さんと、ぜひ共有してください。

2021年9月8日
千葉大学病院長 横手幸太郎

20210908_1.png

20210908_2.png

20210908_3.png

20210908_4.png

20210908_5.png

20210908_6.png

20210908_7.png

ドイツ語の動詞 miauen の過去分詞

 家族が学会発表のためにオノマトペについて調べていて,色々面白い「新発見」をシェアしてくれました.ドイツ語の「笑う」lachen もそもそもオノマトペから発しているというのも恥ずかしながら今頃ようやく知りましたが,面白いが,さほど授業に有用な知識でもなさそうです.それよりはるかに恥ずかしかったのは,「(ネコが)鳴く」miauen という動詞の過去分詞が,gemiaut ではなく,miaut であることを初めて知ったことです.Duden や Langenscheidt の権威ある辞書をみると,確かにそう書いてあります.
 これは一体どういうことか.

 しかし,ドイツ文法をまとめたサイトをいくつか回ってみると,gemiaut と miaut の両方が書かれていて,変化表を載せているサイトではむしろ gemiaut の方が優勢のように見えます.
 しかもドイツ人が気楽にドイツ語についての疑問を出し合うサイトをいくつか覗いてみると,なんとドイツ人たち自身が,miauen の過去分詞って,gemiaut なの miaut なの?と議論している有様です!いいから Duden 見ろよ,とか,gemiaut なんて見たことねえよ,とか,gemiaut ってなんか響きがへん,とか興味深い書き込みが見られます.

 ドイツ語初級文法を少しでもご存じの方なら,私が何を騒いでいるのかお分かりいただけるでしょう.ドイツ語の過去分詞の形成法に,語頭に ge- を付けるか付けないかで一見ややこしい規則があります.
 原則自体はいたって明快です.動詞の語頭にアクセントがあれば,過去分詞の語頭に ge- を付ける,語頭にアクセントがない動詞は,過去分詞の語頭に ge- を付けない.音で覚えているから,ドイツ語母語話者にとっては本来簡単な規則のはずです.
 ゲルマン諸語の特徴の一つが,語のアクセントを第一音節に移して固定したことだから,ゲルマン系の基本語彙についてアクセントの位置と,従って過去分詞の ge-問題についても議論の余地はありません.問題となるのは:
 1)非分離派生動詞(語頭の接頭辞にアクセントが来ず,基本語のアクセントが保持されるので,見かけ上アクセントが第一音節に来ないことになる)
 stéhen → gestánden「立っている」しかし verstéhen → verstánden「理解する」
 2)外来語起源の動詞(外来語である特徴を第一音節にアクセントを置かないことで示す傾向がある.外来語の多くが語末付近にアクセントを置くことを特徴とするロマンス系の言語に由来するから)
 studíeren → studíert「研究する」
 posáunen → posáunt 「トロンボーンを吹く;吹聴する」

 では miauen はどうなのか.
 上の原則を貫くなら,多くのドイツ人が,miauen の過去分詞が miaut であるべきで,gemiaut はおかしい、と思う原因は,この動詞が [mjáu-en] という,第一音節にアクセントのある2音節語ではなく,[mi-áu-en] と,第二音節にアクセントのある3音節語だと理解している,ということに他なりません.この /mi/ は,経験的にも頷けますが,我々外国人が綴りから予想するより「長め」に発音するようです.-tion は [-tsjó:n]で,母音が後続した /i/ は半子音化するようなのですがね.

 オノマトペでは,話が別なのでしょうか.