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川野里子歌集『歓待』

御家族の千葉大学名誉教授高橋久一郎先生を通じ,読売文学賞受賞の川野里子歌集『歓待』を御寄贈戴きました.著者サイン入りという願ってもない賜物でございました.川野先生,また高橋先生も,どうもありがとうございました.

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 最初からお母様の介護と看取りをモチーフに,死に向き合った歌が続きます.

     母死なすことを決めたるわがあたま気づけば母が撫でてゐるなり

 こっそりと私が期待していたのは,『青鯨の日』(1997)に収められた次のような歌の続きでしたが:

     おもしろき男なりけり妻と仕事いづれと問ふに苦しみおりぬ

でもやはり続きでもあるのでしょうか,そこここにQ先生の(愛称で失礼します)影があります.意外なような,そうでしかないような影が.
 コロナ禍の日々,巣ごもりの毎日に,またとない素晴らしい読書でございました.